グーグル、アップル、フェイスブック(FB)、アマゾン・ドット・コムの「GAFA」に代表される巨大IT企業をめぐっては、インターネット広告の収益などで巨額の収益を上げる一方、適切な課税がなされていないという指摘があります。
昨年の8月の報道で、FBの日本法人が東京国税局の税務調査を受け、2017年12月期までの2年間に約5億円の申告漏れを指摘された事例は、まだ耳目に新しいところです。
このことに対し、東京国税局は税務調査で、 日本法人の報酬は広告料に連動させるべきだとし、過少申告加算税などを含めて1億数千万円程度を追徴しました。
デジタル経済の発展した現在、電子商取引(ネット通販)や、映像や音楽などのコンテンツ、 個人情報などが価値の源泉となっているビジネスモデルはたくさんあり、インターネットを介することで、支店や工場などがなくても日本で利益を上げることは可能です。
FB日本法人の例で、広告による経済的な源泉はあくまで消費者の所在地国であるとする考え方について一定の合理性はありそうですが、現状、明確な課税ルールがあるわけではありません。
国境を越えて展開されるビジネスに対して、従来の課税原則では十分に対応できておらず、今後の法人課税の潮流はこうした「デジタル産業」への課税強化へ向かうことになりそうです。