これまで従業員30名の食品メーカーから、東証一部上場の専門商社まで、幅広い規模・業種の営業支援に携わり、営業担当者から経営者まで、200名を超える対象者に階層に合わせた指導を実施。
「マネジャーとして自分が何をすべきか、具体的にわかった」「集合研修だけでは、理解できなかった内容がようやく腑に落ちた」「聞いたら恥ずかしいかな、ということも説明してもらえて助かった」など、丁寧な指導に定評があり、経営と現場をつなぐ橋渡し役として支援先企業のサポートを行っている。
さらに、インバスケット研究所と共同で、「絶対達成インバスケット」の開発に従事。それを用いて、のべ300名以上のマネジャー・経営幹部に対して、アウトプット型のマネジメント研修を実施している。
略歴
- 1980年
- 愛知県名古屋市生まれ
- 2004年
- 名古屋大学教育学部卒業
- 2005年
- アタックス入社
- 2011年
- アタックス・セールス・アソシエイツへ異動
研修講師歴
- マネジャー向けアセスメント研修/食品資材商社
- 営業管理職向けアセスメント研修/機械商社、産業機器販売 ほか
- 総務/経理担当者向けアセスメント研修/設備商社
インタビュー
村瀬さんのキャリアヒストリーをお聞かせください
振り返ると、私の仕事のキャリアは、小学校の高学年から始まっています。
実家が小さいながらまぐろの仲卸をしており、小学校の高学年から売り子として、店の手伝いをしていたからです。
自宅にはまぐろが3,40匹は入る大型の冷蔵庫があり、幼いころは、市場から祖父母や父が帰ってくると、自宅の駐車場にたくさんのまぐろを並べて仕分けしていたことを覚えています。
しかしながら、世の中が不況になると、自宅の大型冷蔵庫に保管するまぐろの数は年々少なくなりました。
そして2000年ごろ、50年近く続いた家業は、閉じることになりました。
幸い良い形で閉じることができたため、自宅にはそのまま住み続けることができ、私も大学を卒業することができました。
それでも、一つのあきないの終わりを見てきたことは、私の仕事観に大きな影響を与えたと思っています。
アタックスに入社後は、ご自身で事業を立ち上げようとする起業家の方、次に2代目・3代目の後継社長の方々、そして今は目標を安定的に達成させていきたい営業マネジャーの方々に対して、一貫して成長のためのご支援に携わってきました。
そのベースとしてあるのは、外部環境が変わろうが生きていかなければならない、という原体験です。
特に、現在、営業マネジャーの方々にお伝えしている「予材管理」という目標を安定的に達成させていくためのマネジメント手法は、外部環境の変化に対応していくために非常に優れた手法です。
変化の激しい中、ご支援先の方々が、このマネジメント手法を活用しながら、目標を達成させていくことに伴走できるのは、私にとって大きな喜びです。
現在の仕事でお客様からどのような悩み・相談が多いのでしょうか?
「社員の教育が大事であることはわかっている。
しかし、何から始めればよいかわからない」というご相談が多いです。
そのようなお悩みには、「インバスケット」というアセスメントツールを用いて、社員の方がどんな力を発揮していて、どんな力を発揮できていないかを計測したうえで、最適なご教育プランを提案しています。
例えば、過去に周囲の方々を巻き込みながら成果を出す力が発揮できていない企業様には、「計画組織力」という半年にわたる課長向けの研修を行いました。
結果的にこの企業では、自分が売上を上げることにしか興味がなかった課長が、部下を成長させることも自分の仕事だと気づき、部下へ積極的に声がけをし、さらに自身が抱え込んでいた仕事を任せるように、仕事への取り組み方が大きく変わった方もいらっしゃいました。
村瀬さんの仕事をする上での大切にしていることはどのようなことでしょうか
「人は成長し続けられる」ということと、「人は自分で伸びる」ということです。
大学時代にエリクソンという発達心理学者が提唱した「心理社会的発達理論」というものを学びました。
人間は乳児期から老年期まで8つに分かれた発達段階において、それぞれの課題を克服して力を得ながら成長するという理論です。
人はいくつになっても成長し続けられるのかと、希望を見つけた気持ちになったことを覚えています。
そして、これはビジネス領域でも同じだと考えています。
新入社員、課長、部長、経営者とそれぞれの役職や与えられたミッションで乗り越えるべき壁がありますが、人は、周囲とのかかわりの中でその壁を乗り越えて成長し続けることができると確信しています。
もうひとつは、「人は自分で伸びる」ということです。
アタックスグループは育児との両立支援が手厚く、周囲の方々の力をお借りしながら、2度の育休、時短勤務を頂きながら仕事を続けてきました。
上の子どもが中学生となった今、感じていることは「子どもは自分で育つ」ということです。
周囲の大人は伸びることを邪魔しないことと、信じて必要な応援をすることしかできないのだな、と。
これは今の仕事にも通ずることだと考えています。
ご支援対象の方に尊敬と謙虚な気持ちを持ちつつ、成長を信じ、必要なあらゆる支援をすることを私の信条としています。
アタックスのミッションは「社長の最良の相談相手」です。何かエピソードはありますでしょうか?
私が後継者育成の仕事に携わってきたときのことです。
社長に就任されて間もない2代目の方から、社長という仕事への不安、恐れを電話で吐露されたことがあります。
私は当時まだ20代でアシスタントという立場だったため、気の利いたアドバイスをすることはできず、ただお話を聞くことしかできませんでした。
今にして思えば、そのような相手でも訴えたいくらいの重責と孤独を感じていらっしゃったのでしょう。
その社長は、弊社アタックスグループの経験豊富なコンサルタントがご相談に乗ることで、葛藤を乗り越えていかれました。
今でもこの社長が抱えていらっしゃったものを忘れないように、ご支援に取り組んでいます。
最後に(お客様に一言)
冒頭にお話しましたように、実家は廃業することにはなりましたが、すぐに経済的に立ちいかなくなることにはなりませんでした。
それは、経営者であった祖父が「適切な時機に、適切な経営判断」をしたおかげだと考えています。
このことは、『社長の幸せな辞め方』の出版時に、弊社のいろいろなコンサルタントの話を聞いて理解したことです。
その後も、様々なご支援を通して、外部環境の変化に対応して生きていくためには、正しい知識を持ち、正しいスキルを身に着けておくことが必要なのだと実感しています。
その一助となることができたら、幸いです。