人口400人の町の世界的企業/せかせかせず、ゆったりとした時間を味わう。その2 | 強くて愛される会社研究所

人口400人の町の世界的企業/せかせかせず、ゆったりとした時間を味わう。その2

2019年12月16日

こんにちは。強くて愛される会社研究所の西浦(美)です。

先日のブログの続き(その2)です。

 

東京から、長い道のりをかけて、お昼過ぎに、

島根県大森町にある、中村ブレイス株式会社様に到着しました。

 

本社入り口です。

 

世界遺産「石見銀山」の麓、歴史的な景観の大森町には、

風情ある街並みが多く残っています。

 

本社横には、ゆるやかな坂道が見えました。

 

同社会長の中村俊郎氏は、以前「コンビニもない街の義肢メーカーに

届く感謝の手紙」という書籍を出されていますが、

その名の通り、このあたりには、ほんとうにコンビニがひとつも見当たりません。

もちろん、コンビニだけでなく、ファミレスやチェーン店などもありません。

人混みで人と人が通りすがりにぶつかることもなく、空気の綺麗さは抜群です。

 

だからこそ、この神聖な土地にくると

都会の喧騒を忘れて、せかせかせずに、

ゆったりとした気持ちになれます。

 

 

人口わずか400人の町の、山の中にある企業ですが、

ぜひとも中村ブレイスに入社したい、という若者は

地元の島根だけでなく、

遠く北海道や大阪などの県外からも、集まってくるそうです。

 

中村ブレイス様は、社員80名程度の小さな会社ですが、

とても大きなやりがい、大きな喜びを感じられることため、

社員の定着率は高く、ひとりひとりの方が生き生きとした表情で

働いていらっしゃいます。

ひとりひとりの方が、自分のやるべきことに集中をされていました。

 

 

 

お仕事中のため、正面から皆様の表情は撮影できませんでしたが

いい会社に共通する、社員の方たちの清々しい表情、風通しのいい空気感を

大いに感じました。

 

 

わたしたち人間は、生きている限り、

いつ、なにが起きてもおかしくありません。

事故や病気で、手足や指を失った方、耳や目、鼻など、顔の一部を失った方、

乳がんで乳房をやむなく切除した女性、

大腸がんや直腸がんの手術で人工肛門をつけなければならなくなった方など、

さまざまな状況の方がいらっしゃいます。

 

それまで、当たり前のように存在していたものが突然失われたとき、

どれほど失望することでしょうか。

自分の体の一部がこの世から消えてしまったとき、どれくらい寂しいでしょうか。

 

想定外の状況に陥ったとき、まるで、自分の「分身」のような義手、義足、

人工乳房などをつくってもらえたら、

涙を流して、心から「ありがとう」と感謝するのはまちがいないことです。

 

同社には、日頃から、多くの感謝の手紙が届きます。

その手紙を受け取った社員の方たちは、自分たちのつくっているモノは

単なるモノではなく、その方の人生にとって、なくてはならない大切なものを

作らせていただいているのだと、あらためて感じるそうです。

そうしたお手紙やお客様の喜ぶ姿に支えられて、今日まで頑張ってこられたと

言う社員の方もいるそうです。

 

 

中村ブレイス様の社是は「THINK」です。

患者様の立場に立って、徹底的に、考え続けること。

 

そうでなければ、人間の体そのものを再現することなど不可能です。

すこしでも元の体に近づけるため、常に考えることが大切です。

 

たとえば、指一本を作る場合も、単なるモノとしての指ではなく、

患者様の声に一生懸命に耳を傾け、徹底的に「THINK」をして、

シリコーンの外側に着色すると色が落ちてしまうことから、

作業としては非常に大変だそうですが、内側から色を塗っていくそうです。

 

また、指を作ったら、やっぱり爪もほしくなるのではないか?と考え、

今度は、爪をつけた指を開発していきます。

さらに、お客様から「爪がついたら、マニキュアを塗りたい」と言われれば

マニキュアを塗れるような仕様に変えたり、

それならば、男性であれば体毛か?と考えて、お客様から体毛をいただいて

指に植毛したりと次々と工夫を凝らしていきます。

 

 

この日は、会長秘書をされている男性にご案内いただいたのですが

いろいろ丁寧にお話をしてくださり、心が震えるような瞬間があり、

言葉にならないような気持ちになってしまいました。

 

こちらが本社から少し離れた場所にある、メディカルアート研究所です。

ここで人工の手の指を作っている社員の方にお話をうかがいました。

とても責任感を持って取り組まれていて、

患者様の期待に応えたい!という、熱意を感じました。

 

ものによっては、既製品で保険が適用される場合もあるようですが

それでは、以前とまったく同じ形や色とは程遠く、つけごこちも悪かったりして

保険が適用されなくても、遠方からこの会社を訪れ、

オーダーメイドでの義肢装具の制作を依頼される患者様も多くいます。

なかには、アメリカやオーストラリア、スペインなど、海外から

中村ブレイスを訪ねてくる患者様もいるそうです。

 

 

長い間、握手もできず、人前に出ると、いつも指を隠していた方も、

自分の指とほとんど変わらないような、再現性の高い指を装着した瞬間

ぱっと明るい笑顔になり、堂々と握手をされるようになるそうです。

 

 

こちらはレトロな洋館のような雰囲気の会場です。

社員の方の休憩や食事の場所にも使用されています。

6月視察ツアーのときにお話を聴くのもこちらを予定しています。

 

 

最近の学生、若者の中には、「将来、人のお役に立ちたい」

「世の中の役に立つようなことをやりたい」と考える方も多いようです。

なぜ、島根県の山のふもとの小さな会社に

多くの若者が集まるのか?

 

その理由を、一緒に視察に行きませんか?

きっと、参加された方の心に深く染み入るような、素晴らしい体験が

できると思います。

 

視察は金曜日を予定していますので、1泊してぜひ温泉津温泉や玉造温泉などで

心と身体をリフレッシュしてください。

たまには、ゆったりした時間も、思考のメンテナンスには、必要ですね…。

まだ、お申し込みされていない方はこちらからどうぞ。

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2020年6月/中村ブレイス株式会社(島根県大田市)【※新型コロナウイルス感染拡大のため、開催延期とさせていただきます】

 

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