初めての視察ツアー体験 完全ドキュメント(前編) | 強くて愛される会社研究所

初めての視察ツアー体験 完全ドキュメント(前編)

日本で唯一、毎月1回必ず開催される企業視察ツアー「強くて愛される会社研究所」。
完全会員制のこのバスツアーは、
日本全国から参加する会員が大型バスに乗り込んで
「強くて」×「愛される」会社とはどんな存在なのか、その真髄を研究&追求し続けています。
その一日は学びと気付きに満ちていますが
ただ話を聞いて終わり、工場やオフィスを見て終わりではありません。
では、ツアーはいったいどんな体験なのか?
今回初めて参加する会員の一日に密着しました!


初めて参加する会員

株式会社北川組
北川尚子 代表

株式会社北川組 プロフィール
愛知県名古屋市にある株式会社北川組は150年続く建築会社。
官庁や小中学校などの大型公共施設から、企業施設、個人住宅まで、地域で圧倒的な実績があります。

午前09時30分JR名古屋駅コンコースで集合

ツアーの視察先は全国各地に渡ります。
集合場所は、地元の最寄り駅。
今回は、JR名古屋駅でした。
ご参加されるのは、毎回25~30名ほど。
アットホームな雰囲気かつ、バスの座席で、余裕を感じていただける人数です。
今回の主役、ツアー初参加となる
株式会社北川組の北川尚子(しょうこ)取締役が到着。

北川さんは事業承継も視野に入れて、取締役と経理をされています。

[北川さん]

このツアーの会員でとても親しい女性経営者から「とにかく楽しいから、一度来てみて!」と誘われて、それほど言うなら見てみたいなと思って参加しました。
訪問先が三重県で近くだったのも参加しやすい要素でした。

今日特に学びたいポイントを聞いてみると…

[北川さん]

最近、会社の雰囲気について社員に聞く機会があったのですけれど、多くの社員が「忙しくて、楽しいとかはあまりありません!」と答えたのです。
あぁ、本当に楽しくないんだろうなと、私には強く印象に残りました。
ウチは、ほとんどが男性社員で、特に、5・60代が多く、次に30代です。
私は働く人が充実感を感じてもらえる会社にしたくて、そのために会社ができることは何か?と考え続けていました。
そのヒントが今日見つかれば…と期待しています。

午前10時00分ツアー出発

移動は、大型バス。
車中では、盛り沢山のプログラムを用意しています。
すでに、ここから、学びの「場づくり」「雰囲気づくり」がスタートしています。

まずは、当研究所の専務理事・横山信弘の初めのご挨拶。このとき、横山が必ずお伝えしているメッセージがあります。

横山信弘

「この視察ツアーの目的は「思考のメンテナンス」です。思考のメンテナンスは「インパクト」×「回数」でできます。 ツアーの目的は経営者の「あり方」を見つけることです。

次に研究所の代表理事・西浦道明が、訪問する企業の視察ポイントをセミナー形式で解説。

西浦道明

「今回のモクモクファームさん、どこがすごいのか?
もともと、人がほとんどこない田舎で苦労して苦労して事業を続けてきました。試行錯誤の中で「地域の良さ、地域の魅力」に徹底的にこだわりました。戦略とはストーリーです。そしてストーリーとは誰かの思いです。お客様をリピーターにしてファンにする。 その大きな要因になっているのが、いきいきと働く社員さんたちの姿なんですね。」

伊賀の里モクモク手づくりファーム プロフィール

今回の視察先、伊賀の里モクモク手づくりファーム(三重県伊賀市)は1988年創業。
始まりは地元の養豚業者が集まって「伊賀豚」ブランドを売り出す事業でした。
現在の最大の強みは製販一体、それを家族で楽しめるテーマパークにすることによって6次産業の理想的な形を成功させていること。
そして、その好調な経営状態と社内風土の中で、社員たちがいきいきと働いていることです。

ツアーの魅力① 特製パンフレット

参加者には、見学ポイントをまとめたパンフレットが渡され、ツアーの中での気づきをメモしていきます。

午前11時30分伊賀の里モクモク手づくりファームに到着

名古屋駅からおよそ1時間30分、「伊賀の里モクモク手づくりファーム」に到着。
およそ14ヘクタールの敷地に25の様々な体験型施設がある農業テーマパークです。

山あいの空気が爽やかで清々しく、絶好の視察日和です。

当研究所の視察ツアーには、「ランチ懇親会」の時間があり会員同士の交流の場にもなっています。

そこでまず一行が訪れたのは、ここをお目当てに来園するお客様も多い「PAPAビアレストラン」。

ツアーの魅力② ランチ懇親会

園内で自作した名物のハム・ソーセージ、地元のお野菜をふんだんに使ったサラダや料理などなど、ボリューム感たっぷりのお料理をビュッフェ形式で楽しめます。
みなさん思い思いのお料理を楽しむ中、北川さんの様子を見てみると…

どんなお料理食べましたか?

[北川さん]

お豆腐食べたらあまりに美味しくて、2杯思いっきりお代わりしてしまって… お豆腐でお腹いっぱいになっちゃいました。

ハムやソーセージが名物ですけど

[北川さん]

ソーセージも少し食べたんですけど、ちょっとお豆腐がおいしすぎて滑らかで柔らかでコクがあって、ハムまで行けませんでした。

お豆腐、よっぽど美味しかったんですね
毎回、訪れた土地の美味しく旬な食べ物を味わい、会員様同士が、親睦を深める。
これもまた、視察ツアーの魅力の一つですね。

午後01時00分松尾尚之社長 講話

ツアーの魅力② ランチ懇親会

お腹もほどよくいっぱいになった後、いよいよプログラムの本題に入ります。
モクモク手づくりファーム 松尾尚之(まつお なおゆき)社長が登場。
毎回多くの学びと気づきが得られる社長講話です。
創業当時のメンバーのひとりだった松尾社長は、2014年に社長に就任。

お話は1988年当時、生産者の立場から「伊賀豚」をブランド化しようとした理由から始まりました。

[松尾社長]

「1次産業の人間は価格決定権がない。
自分たちの生産物を自分たちで付加価値つけて売る方法はないかなって考えたんです。そこで養豚農家さんたちに出資してもらい事業をスタートしました。
しかし何もない山の中の小さな売店にハムなどの商品を並べても、お客さんはほとんど来ませんでした。
ゴルフに来た人が喫茶店と間違って入ってくるくらいしかなくて。そこで当時やったのがメディアに受けようということでした。
珍しい商品をいろいろ考えて作ったら、新聞やテレビ等のメディアが次々と取り上げてくれました。

例えばバレンタイン用に本物のハートはどうでしょうと「牛の心臓の塩漬け」を売り出したり、母の日向けに丸いレバーを「肝っ玉母さん」と命名してみたり…」

そして自分たちの存在を広めてもらうには口コミが一番であると気がつき、地元の農協や生協の婦人部の女性たちに向けた体験イベントを頻繁に企画、これが集客へとつながりました。

[松尾社長]

「レジャーというサービス業になると、お客様への売れ方が違うんです。高いものでも買ってもらえる。
これはたぶん遊びに来たという非日常のワクワク感があって、そこにしかないハムを買おうっていう気分になるんですね。」

試行錯誤を重ねながらお客様の心理を研究し続け、生産から食品加工、流通販売まですべて自分たちで手がける6次産業を成功させたのです。

[松尾社長]

「農業を中心としたレジャー産業、これが良いんですね。自分たちで売るとなると自分たちで価格の決定権があるわけなんです。」

終始やわらかく暖かみのある口調で、ユーモアを交えながらの社長講話。
その中で、農業テーマパークとして絶大な成功をおさめているその「強さ」の秘密を惜し気もなく語って下さったのです。

初めて社長講話を体験した北川さん、 終了直後に感想を聞いてみると…

[北川さん]

本当に何もないところ、物づくりの1次産業から、今日の6次産業まで、創意工夫で組み立てたスト―リーが素晴らしかったです。

松尾社長は「偶然できたんです」と気軽な感じでお話しされていましたが、きっと様々なことがあったはず。面白いお話を謙虚にされる姿が一番印象に残りました。

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