将来に渡って安定した会社経営を維持しつつ、社長家の納税資金対策と株主の遺産分割対策を実行することができた。
会社名 | 医療機器卸売業を営むB社 | |
売上 | 800億円 | |
従業員数 | 800名 | |
営業所 | 20か所 |
BEFORE
もともと現社長がMBOで取得した会社であり、社長自身の持株比率は過半数、残りはMBOの際に株式を手放さなかった前経営者の親族3家が所有していました。
社長は自分を育ててくれた前経営者には恩義を感じており、その親族である3家の株式を無理やり買い取るつもりはなく、また、その株主総会についても上場会社並みに気を使って開催してきました。
3家も社長の経営手腕を認めており、自分等の子息等を役員として登用させるような要望を出すこともせず、3家の子息等は一人も会社に入社していませんでした。
3家の各家長も高齢となり、またその子息等も仕事や結婚などで海外に在住する者が出始め、各家で相続が発生した場合、自社株が海外在住の子息等にも分散してしまうと株主総会の開催自体が困難になるかもしれない、と社長は心配をしていました。
また、この会社は、業績好調、過去の内部留保も厚く含み資産もあるため株価は高く、社長に相続が発生した場合、自社株を相続することになる後継者の長男は多額の相続税負担を強いられることになる、社長はこのことにも悩んでいました。
AFTER
最終的に現在の株主が所有する普通株式1株に対し無議決権配当優先株式5株を無償で割り当てる、という対策を提案いたしました。
その骨子は・・
これによって、社長家を含めた各家は普通株式とそれを上回る数の無議決権配当優先株式を所有することになります。
仮に3家に相続が発生した場合、各家の代表一人が普通株式を相続し、その他の相続人は無議決権配当優先株式を相続することによって、各相続人が取得する財産のバランスを保つことができます。
さらに、株主総会に出席するのは現状と同じく各家一人とすることができ、実質的な株式分散を回避することができます。
また、社長に相続が発生した場合、割り当てられた無議決権株式を金庫株により現金化することで後継者である長男は納税資金を確保できます。
現金化するのは議決権に関係のない株式であるため、長男は現状と同じく過半数の議決権をそのまま確保することができることになります。
この対策は、会社の今後の安定した経営及び自身等の財産権の確保を望む3家にも受け入れられ、各家は代表一人に普通株式を相続させることについて確約してくれました。
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