株主でもある親族役員の退任について、禍根を残さずに実行することができた。
会社名 | 自動車部品製造業を営むC社 |
売上 | 50億円 |
従業員数 | 100名 |
工場 | 3か所 |
BEFORE
社長は弟の専務と一緒に、父親から引き継いだ会社を経営してきました。
社長が「息子に会社を継がせたいのだが」と言うと専務も快く賛成してくれたのでよかったのですが、承継後のその専務の処遇について社長は悩んでいました。
その理由は、社長自身は勇退後にも会長として会社に残るつもりなのですが、専務を会社に残しておくと息子がやりにくいだろうから、このタイミングで専務には辞めてほしい、と考えていたからです。
専務も自社株を35%所有していますので、ヘタな動きをして専務がヘソを曲げてしまうと今後の経営に影響を与えてしまうことになりかねませんでした。
AFTER
弊社は、ここで社長の悩みを3つに分解しました。
- 専務が持っている自社株をどうするか
- リタイア後の専務家族の収入をどうするか
- 専務への感謝と勇退してほしい気持ちの両方をどう上手く伝えればよいか
これらを踏まえて、社長にアドバイスをしました。
その骨子は・・
- 専務の処遇(退任か否か)
後継者のことを考えると、社長の代替わりの時期に引退をしてもらうことが望ましいです。古参の役員である専務には退いていただくことが、同じく古参の幹部社員への示しにもなります。
- 専務の功績への報い方
専務に退任して頂く際、これまでの功績に報いるためにもしっかりと退職金を支払います。
- 専務が所有している自社株の処理
株式が分散していくことを回避するために、専務が所有する株式は退任と同時に買い取ります。
今回のように相手と良好な関係である場合、まず総額、つまり、いくら必要なのかを決め、その後で、退職金で支払うのか、それとも株式代金として支払うのか、という明細を決めるようにすることが望ましいです。
総額が決まっていれば、誰が自社株をいくらで買い取るのか、どうやって資金を準備するのか、などの問題を専務と協議せずに社長自身で決めることができるからです。
専務の功績に充分に報い、今後の生活資金に充てて頂くためにも、あまり低い株価で自社株を買い取ることは避けるべきですし、専務にとって不利になるようなスキームも避けるべきです。
感謝の気持ちを込めたい場合は、株式代金を抑えようとしたりせず、退職金についてはどこまで上乗せできるかも検討されると良いでしょう。
専務も社長と同様、会社を愛する気持ちは同じでしたので、自分が身を引くことで後継者が経営しやすくなることに納得をしてくれました。
また、今後の生活資金や子供たちへ遺すのに十分な金額の提示があったことで、専務は社長に感謝しつつ、承諾をしてくれました。
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